東西方向を結ぶBCのうち、北西へ向かうB系統の区間と、途中で分岐してRobertsauへ向かうE線です。Wacken地区を通り、Hoenheim市まで至ります。この区間最大のポイントは、なんと言ってもEUの国会にあたる欧州議会でしょう。Wacken近くのイル川河畔に欧州議会を始め、欧州評議会などヨーロッパの重要な機関が集中しています。ストラスブールが欧州の首都を名乗るゆえんはここにあります。2007年11月26日に欧州議会や人権裁判所を経てRobertsauへ至る支線が開業し、国際機関への交通アクセスが改善されました。
このページで紹介している沿線に関しては、治安が特に危険という情報はありません。郊外団地は治安が一般的に良くないため、早朝・深夜時間帯は注意してください。
B線はRépubliqueでCと分岐するとRépublique広場を一回りするように走って行く。国立劇場、国立図書館、県庁の前を通っていきます。レピュブリック広場は公園のようになっています。レピュブリック広場を抜けると、Paix通りに入ります。
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レピュブリック広場を出たトラムはPaix通りを走ります。Paix通りはカテドラルからまっすぐの方向に伸びる通りで、北側から見れば通りの突き当たりにレピュブリック広場を通してカテドラルが見えるようになっています。この区間の軌道は道路中央に分離帯で区切られた芝生軌道になっています。トラムの軌道をカテドラルから伸びるグリーンベルトのように見えるようなデザインとなっているのが特徴です。Parc du Contadesの停留所はこのPaix通りの真ん中にあります。同名の公園に隣接しています。 |
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Paix通りを抜け、広々としたBordeaux広場に入り、Lycée Kleberに到着します。その名の通り、クレベール高校が隣接する停留所です。停留所の前にはテレビ局もあります。到着音楽はなぜかアフリカ民族音楽となっています。B線のこの区間は他に比べても、ちょっとマニアックな音楽が多いです。停留所付近は広々としており、トラムの芝生軌道と相まって、芝生広場のようになっています。天気のよい日は実にのびのびとした雰囲気になり、好きな停留所の一つです。 |
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道路脇の芝生軌道を進み、Wackenに到着します。ストラスブールのトラムの停留所では唯一3本乗り場があり、1本は折り返し用ホームです。折り返しホームは臨時用です。欧州議会会期中はにぎわいますが、警備のパトカーなども検問していることが多いです。この停留所と欧州会議場の間の道は普通の住宅地なので、ちょっと不思議な感じです。2007年8月27日にE系統が新設され、最初の二ヶ月はここが始発でした。同年11月26日にここから分岐してRobertsau Boecklinへ至る支線が開業し、E系統はRobertsau Boecklin始発になりました。E線の延伸前は、ここが欧州議会への最寄り駅でした。
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→ Tram B の次の停留所はRives de l'Aarです。
→ Tram E の次の停留所はParlement Européenです。
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Rives de l'Aarは運河沿いの停留所です。この停留所を過ぎると、センターリザベーション区間になります。この区間では上下線の間に植え込みがあり、トラムの軌道がグリーンベルトの役割を果たしています。ここにもパークアンドリレーの駐車場があります。 |
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Futura Glaciereのあたりは、いろいろな企業のビルが建っており、ちょっとしたビジネス街になっています。都心からかなり離れていますが、旧市街は景観保護のために建築規制が厳しいのでこちらにオフィスを構える企業が多いのでしょうか。そのため、かなり北の町はずれにもかかわらず、停留所の前にはフランスで有名なチェーンのビジネスホテルがあったりします。ちょっと郊外型開発された地域です。 |
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Futura Glaciereを出ると、運河を渡る橋にさしかかるので、坂道を上り下りします。ラムは見た目よりもずっと力持ちで、橋の前後の急勾配も難なく登ります。坂を下りるとLe Maraisに到着します。このあたりからだんだんと建物もまばらになり、郊外になっていきます。 |
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停留所名のPont Pharioはイル川にかかる橋です。この停留所付近で、蛇行するイル川が沿ってきます。イル川沿いに木々が多いので、停留所の周りは緑が多いです。イル川河畔も散策路が整備されています。 |
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Lycée Marc Blochは、その名の通り、駅前にマルクブロック高校があります。この停留所を過ぎると長らく続いたセンターリザベーションの区間は終わり、団地の中の芝生軌道区間となります。 |
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センターリザベーション区間を抜けると西に進路を変え、団地の中に入り、Le Riedに到着します。次の停留所まであまり距離がありません。この付近は騒音対策で芝生軌道になっています。 |
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Général de Gaulleは「ドゴール将軍」なんていかにも意味深な名前の停留所ですが、単なる普通の団地です。ここを過ぎると、大きな道路の真ん中のセンターリザベーション軌道を走ります。あと一駅で終点です。 |
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Hoenheim GareはB線の終点です。コンクリート製の大屋根が掛けられた、バスターミナルとトラム停留所を併設した一大ターミナルとなっています。隣接して大規模なパークアンドリレーの駐車場があり、また大屋根の中には自転車預かり所ヴェロパークがあります。Gareの名の通り、SNCFの駅も同一敷地内にあり、まさにストラスブールの北の交通の結節点という感じです。と言いつつ、SNCFの方は完全なローカル線で、駅もホームがあるだけの無人駅、路線は非電化、ディーゼル機関車に曳かれたTER(普通列車)が2-3時間に1本(日曜日は1日4本しかない)来るだけです。
SNCFのHoenheim Tram駅(トラムが駅前を名乗れば、鉄道駅名はトラム前を名乗っている)は土手の上にあります。ホームに上がればターミナルを見渡せます。駅の北側は完全な野原です。 この停留所の西側はしゃれた住宅地になっています。接続する6番バス(トラムと別ルートで都心のHomme de Ferまで行きます)が通っています。バス道は本当に狭い道路ですが、6番はすべて大型の連接バス。日本では、一部で直角を曲がれないと噂される連接バスですが、こちらではそんな狭い道でも平気で走っています。 |
Wackenから分岐して一つ目の電停がParlement Européen(欧州議会前)です。Wackenに変わって、当駅が欧州議会への下車駅になりました。なお、この橋はLRT延伸と周辺道路整備に伴い新設されたものです。この停留所を過ぎると、イル川沿いに走っていきます。
欧州議会はEU(ヨーロッパ連合)の国会にあたる機関であり、EU加盟国から選挙で選ばれた議員で議会を構成しています。ストラスブール以外にも、ブリュッセル・ルクセンブルクに事務機関があります。会議場の建物は1998年に完成しました。イル川河畔に建っています。正面から見ると円筒形の建物が見え、背後に局面状の建物がこの円筒を取り囲むようになっています。背後の部分に本会議場があり、この部分もドームになっています。上から見ると、円筒形の建物と会議場のドーム、二つの丸が振り子に見えるようにデザインされています。難しい欧州統合を達成するために、各国代表が振り子のように左右どちらにも振り切らずにバランスを持って会議をするように、というテーマを込めて設計された建物だそうです(と言っても、鳥になって上から見ない限り振り子の形はわからないわけですから、結局建物の中に入っても説明されないとわからない)。なお、通常欧州会議場の見学は、年に何度かの一般見学日にできます。欧州議会は毎月第一週に開催されます(その時期、ストラスブールのホテルは満杯になります)。 |
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Droits de l'Homme(人権裁判所)はそのなの通り、欧州人権裁判所の前にある駅です。なお、この裁判所はEUの機関ではなく、この建物の南側にある欧州評議会の機関です。欧州評議会はEUとは全く別の組織で、欧州人権条約が元になった組織です。なお、欧州評議会には日本もオブザーバーとして加盟しており、当停留所は日欧の外交関係上も重要と言えます(ちなみに、ストラスブールに日本国領事館があるのは、欧州評議会への代表業務があるためです)。 |
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終点のRobertsau Boecklin駅は、Robersau地区の玄関口として整備されました。と言えども、Robersau地区の中心へは少し距離があり、主にパークアンドリレー用の駅という位置づけです。屋敷跡に停留所が整備され、庭園の森もあって緑豊かな落ち着いた雰囲気の停留所です。この停留所は、屋根のデザインが他の駅とは異なる木の葉の形となっています。 |
tram A | tram D | 1,北西部区間 Hautepierre Maillon-Homme de Fer |
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tram A | tram D | tram E | 2,南部区間 Homme de Fer-Illkirch Lixenbuhl/Aristed Briand |
tram B | tram C | 3,西部区間 Lingolsheim Tiergaertel - Elsau-République |
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tram C | tram E | 4,南東部区間 République-Rodolphe Reusse |
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tram B | tram E | 5,北東部区間(このページ) République-Hoenheim Gare/Robertsau Boecklin |