南北を走るAD系統のうち、北側部分です。市街地北西の団地、Hautepierreを起点に、Cronebourg地区を経由して、ストラスブール中央駅を地下線で通り、都心部のHOMME de Ferに至ります。D系統は、途中のRotondeが始発となります。北西部の団地への通勤輸送が中心です。何よりも、ストラスブールの玄関である、中央駅への足という重要な役割があります。
このページで紹介している沿線のうち、オートピエール地区(始発からRotonde駅までの区間)は治安があまり良くありません。この表示のある停留所は、早朝・深夜時間帯の訪問・視察・撮影は避け、周辺をむやみに歩き回らないようにしてください。この沿線は、日中の利用客の多い時間帯の試乗や停留所での電車写真撮影などは特に問題はありませんが、あまりカメラをぶら下げて歩かない方がよいでしょう。
Hautepierre MaillonはA線始発駅で、団地の中にあります。Hautepierre地区は六角形の敷地が特徴の団地地帯で、路線も勢いカーブが多くなっています。この地区は道路脇の専用軌道で、騒音防止のために芝生軌道でとなっています。ここでバスと接続しますが、この路線は日曜・祝日全便運休です。駅に隣接して大型ショッピングセンターと図書館の分館があります。
駅の奥に引き上げ線があり、トラムは駅到着して降車扱い後、引き上げ線に入って運転手が前に移動して、乗車ホームへ入ってドアを開けます。つまり、当駅のホームは片方は降車専用です。 |
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六角形の敷地のHautepierre団地をカーブしながら進み、Danteに到着します。ここは団地の中の停留所です。この付近の軌道は、道路とは区切られた専用軌道で、騒音防止のために芝生軌道になっています。専用軌道と言っても、柵はほとんどありません。
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Danteを出ると右カーブしてすぐにHôpital de Hautepierreに到着します。ここはCHU(中央市民病院)の最寄り駅です。駅に直結した吊り橋を渡って病院玄関まで行きます。敷地の関係上、100mくらい歩きます。やはりこういう病院のような大事な公共施設は、公共交通のアクセスが欠かせません。
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Hôpital de Hautepierreを出ると、SNCF貨物線のガードをくぐり、六角形の敷地のHautepierre地区を抜け出して、Ducs d'Alsaceに到着します。停留所に隣接して、パークアンドリレーの駐車場があります。パークアンドリレーの駐車券には、往復のトラム運賃が含まれていて2.4ユーロ(トラム1回券は1.2ユーロ)と、かなり格安です。
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Ducs d'Alsaceから道路脇の芝生軌道を進み、Cronebourg地区の住宅地の中の停留所、St Florentに到着します。ちなみに、Cronebourgと言えば、フランスで有名なアルザス・ビールの銘柄ですが、現在クローネンブールにはビール工場はないそうです。日本のエビスビールと同じですね。
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Rotondeはバスターミナル併設で大屋根がかかっています。パーク&リレーの駐車場も併設し、都心北側の交通結節点です。Cronebourg地区へ向かうバスと接続します。駅の近くにはCTSの工場があり、引き込み線が伸びています。D線の電車はここが始発駅となり、ここからトラムの本数が倍増します。Rotondeを出ると、地下に入ります。
Cronebourg工場への分岐線は、駅の南側にあります。地下トンネルへの入り口の手前で車庫線が分岐し、単線で東に進路を変えて工場・車庫へ至ります。また、駅北側に折り返し用の引き上げ線があり、ここでD線の電車が折り返します。車庫線を使うのは、出入庫の電車だけになります。 当駅にはパークアンドライドの駐車場がありますが、料金が3.2ユーロと他よりも30サンチーム(ユーロセント)高額な上、一般定期券での無料サービスの対象外ともなっています(RotondeのP&R利用可能な定期券を購入すれば定期利用可能)。 |
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クローネンブール工場・車庫には、CTS(ストラスブール交通公社)の本社があります。車庫は主にトラムAとDの車両基地であるほか、バスの車庫・工場も兼ねています。工場はRotonde駅の当方約1km弱のところにあり、Rotondeから分岐線が出ています。車庫の中にはループ線があり、工場内で電車は方向転換が出来るようになっています(なので、ストラスブールのトラムの向きは編成によってまちまちだったりします)。
Rotonde駅南方で本線は地下に潜りますが、車庫線は本線の外側に分岐しており、分岐は立体交差になっています。本線の地下開口部を過ぎた後、車庫線は単線となって進路を東に変えます。幹線道路の北側の歩道沿いをサイドリザベーション軌道で走っていきます。この区間、北側は墓地です。墓地を過ぎると北側にSNCF(フランス国鉄)のクローネンブール貨物駅があります。貨物駅駅舎の前を過ぎると、クローネンブール工場のゲートです。ゲートの右側にCTSの本社社屋が見えます。 |
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Rotondeから地下線に入ったトラムは、唯一の地下駅、Gare Centraleに到着します。その名の通り、SNCF(フランス国鉄)のストラスブール駅への連絡駅で、地下四階にホームが設けられています。SNCFへの乗り換え客が多いです。SNCFのストラスブール駅は高架駅になっており、トラムの駅は駅前広場の地下に設けられています。なお、トラムの停留所名は「中央駅」になっていますが、SNCFの駅名は「Gare Strasbourg」、つまり単にストラスブール駅です。トラムの案内上、中央駅の方がわかりやすいので、こうしているのでしょう。
2007年のTGV東ヨーロッパ線開通に伴い、ストラスブール駅は駅舎をリニューアルしました。旧来から使われていた石造りの駅舎を覆うようなガラスのドームを設置し、駅前広場を緑化して芝生広場としたのです。地上からのトラム乗り場への入り口は、SNCF駅舎のガラスドーム内と駅前広場の二箇所あります。地下1階・地下2階はいわゆる駅ナカで、軽食スタンドなどがあります。ここに地下にもツーリスト・インフォメーションがあります。 なお、B/C線のAlt Winmärikの両駅は150mほどの距離であるため(駅前から正面に延びる通りを直進する)、徒歩で行き来することができます。ストラスブール駅からBC線に乗り換える場合は、当駅からA・D線に乗ってHomme de Ferで乗り換えるよりも、Alt Winmärikまで歩いた方が便利です。 |
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地下線を出て、地上に出るとすぐにAncien Synagogue Les Hallesに到着します。Les Hallesはフランスどこにでもある、商店街を表す地名で、ここも駅前にレ・アールのショッピングモールがあります。Synagogueとはユダヤ教会のことで、昔ここに大きなシナゴーグがあり、ナチスに占領された際に破壊されてしまいました。その悲劇を伝える碑がレ・アール広場の一隅にあります。
以前はこのレアール広場道路が横切っており、歩道が地下道になっていました。トラム開業時に、道路を地下でくぐらせ、歩道をトラム停留所に直結させる形に改めました。広場を確保するために道路を立体交差させるあたり、さすがにフランスです。それが功を奏して、レ・アール広場はいつもにぎわっています。 |
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Les Hallsを出ると、右に90度カーブしてイル川を渡り、イル川中之島の旧都心に入ってゆきます。BC系統と平面交差して、Homme de Ferに到着します。ここはAD系統とBC系統が交差する、ストラスブール旧市街の心臓部とも言える停留所です。訳すと鉄の男広場。最大の広場、クレベールに隣接し、停留所の周囲はプランタンやラファイエットなどのデパートなどが建ち並び常に人でにぎわっています。停留所にかけられたリング状の大屋根が有名です。
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→次の停留所はLangstross Grand'Rue(沿線案内 2)です。 Tram A tram D なお、B系統・C系統へのお乗り換えは、沿線案内3,にお進み下さい。 |
tram A | tram D | 1,北西部区間(このページ) Hautepierre Maillon-Homme de Fer |
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tram A | tram D | tram E | 2,南部区間 Homme de Fer-Illkirch Lixenbuhl/Aristed Briand |
tram B | tram C | 3,西部区間 Lingolsheim Tiergaertel - Elsau-République |
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tram C | tram E | 4,南東部区間 République-Rodolphe Reusse |
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tram B | tram E | 5,北東部区間 République-Hoenheim Gare/Robertsau Boecklin |