運賃と乗車案内

・ストラスブールのトラム運賃

 ストラスブールのトラムはCTS(ストラスブール市交通局)によって運営されています。CTS経営のバスとトラムで乗車券は共通で、制限時間内なら乗り換えもできます。現在切符の種類と運賃は以下のようになっています。なお、CTSのトラム・バスは均一料金制で、区間や距離による運賃区分はありません。

2010年7月1日よりの運賃

Aller Simple L'unité 1回券 1.4ユーロ ノーマルな片道券です。有効時間は刻印後1時間で、1時間以内ならば他のトラム・バスに乗り換えができます(後戻りはできません)。
Aller Simple par 10 回数券(10回) 12.2ユーロ 10枚セットの回数券。使い方は1回券と同じです。
Aller Simple par 30 回数券(30回) 34.5ユーロ 30枚セットの回数券。使い方は1回券と同じです。
ALLER RETOUR 往復券 2.7ユーロ 往復切符と言う名前ですが、実際は2枚セットで二人片道利用も可能です。
24H INDIVIDUEL ALSA 24時間券 4ユーロ 24時間乗り放題のチケットです。このチケットは、CUSエリア内のSNCF(フランス国鉄)の普通列車(TER)も利用可能です(ストラスブール空港までの列車にも利用できます)。フリーパスなので後戻り・途中下車自由。日本の1日券と違い有効時間は刻印後24時間なので、夕方に刻印した場合は翌日の夕方まで使えることになります。
24H TRIO 3人用一日券 5.5ユーロ 24時間乗り放題の3人用。2人でも使用できます。かなりお得です
TRAM TER ENTZHEIM AEROPORT 空港ゆき 3.6ユーロ ストラスブール駅〜空港間の列車と、市内線のトラム・バスセットの片道券。なお、空港への列車は24時間券でも利用できますので、どちらが得なのか利用目的にあわせて選んでください。10回用回数券(29.2ユーロ)もあります。
 ちなみに、ストラスブール駅−空港間の国鉄だけの料金は、片道2.2ユーロです。駅前のホテルを予約し徒歩のみで観光する方は単純に国鉄の切符を買うのが一番安いでしょう。
P&R 駐車券込み 2.9ユーロ パークアンドリレーチケット。郊外のトラム停留所に隣接する駐車場にクルマを止めて、トラムに乗り換える人のための切符。駐車代とトラムの料金が込みになったチケットである。都心の駐車場よりは格安のチケットなうえ、自動車の同乗者全員(7名まで)の駐車場から目的地までのトラム・バスを往復無料で利用できます。なお、Rotondeのパークアンドライドだけは3.2ユーロと割高です。
badgeo Pour Tous mensuel 定期券 44ユーロ IC通勤定期。CTSのトラム・バスが1ヶ月乗り放題になります。購入時に顔写真が必要です。有効期限が月極(4月分ならば4/1-4/30まで有効)なので、月初めに買わないと損をします。Rotonde以外のP&Rおよび、自転車置き場Véloparcs、タクシーバス使用可能。なお、この定期券でP&Rを使う場合、同乗者無料特典はありません。
 25才以下、65才以上の場合は半額の22ユーロとなります。
Rotende利用可能な定期券 定期券 51ユーロ すべてのパークアンドライド駐車場が利用可能な定期券。やや高額の価格設定となっております。




・トラム乗車案内

 ヨーロッパのトラムは日本と異なり、予め乗車券を買って乗り込み、自分で刻印する必要があります。乗降時に改札はありませんが、時折検札官が回ってきて切符をチェックします。有効な切符を持っていなかったり、切符に刻印していなかったら多額の罰金を徴収されます。また、日本とはシステムが異なり、車内では切符を買えませんので、必ず先に切符を買う必要があります。以下順を追って解説します。

1,乗車券の購入

 乗車券はトラムの停留所に設置された券売機で購入します。そのほか、CTSの窓口はストラスブール中央駅の地下(トラムA線の乗り場手前)と都心のクレベール広場(Homme de Fer近く)にあり、こちらでも購入できます(日曜祝日は休みです)。定期券の場合は最初窓口で写真と身分証明書を提示して購入する必要があります。バスの場合は運転士から切符を購入できます。
 券売機は最初買いたい切符を選び、枚数を選ぶと金額が表示され、それからお金を入れます。券売機はフランス語の他、英語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語も表示できます。選択の回転バーで国旗を選ぶと言語を変えることができます。ストラスブールの券売機はコインしか使えず、お札が使えません。トラムに乗る場合は市中の商店などで予めお札はくだいた方が良いでしょう。鉄道でストラスブール入りした場合は、地下の窓口で切符を購入できますが、日曜日は窓口が閉まっているので、駅構内の売店で買い物をして小銭を作るしかありません。なお、クレジットカード挿入口らしきものがありますが、これはカルト・ブルーというフランスのデビットカード用(ようはフランスの銀行のキャッシュカード)で、VISAやMasterなどの国際クレジットカードは使えません。
 券売機で、1回券の他、1日券や回数券、空港ゆきチケットなど各種チケットが購入できます。バスの運転手から買う場合は、基本的に1回券のみとなります(往復券も扱っている場合有り)。


2,刻印

 次に乗車券に刻印します。この刻印はいわば改札にあたり、これをしないと切符が有効にならないので注意して下さい。切符は乗り換えるたびに刻印する必要があります。トラムの場合は、刻印機が停留所にありますので、必ず刻印して下さい。特に、ストラスブールのトラムはヨーロッパでも例外的に車内に刻印機がないので、間違えないようにして下さい。刻印をしなかった場合は不正乗車扱いをうけ、検札で罰金を要求されるので注意して下さい。
 バスの場合は、車内の入り口付近に刻印機がありますので、運転手に切符を見せて刻印します。運転手から切符を買った場合も直ちに刻印します。


3,乗車と降車

 乗車券を買い、刻印が終われば乗車します。トラムのドアはサイドのボタンを押さないと開かないので注意して下さい。車内で検札がある場合があるので、最終目的地まで切符は持っていて下さい。トラムは改札がないので基本的に切符を持っているだけでよいです。乗り換えた場合は、乗換駅の停留所で再び刻印して下さい。バスは、乗車時に運転手が改札をしており、トラムからバスに(またはバスから別のバスに)乗り継いだ場合は、乗車券を再び刻印して乗車します。バスの場合は東京都と同じ前乗り後ろ降りです。


4,検札

 トラムでは改札がないかわりに時折検札が行われます。検札官は4-5人でチームを組み、一斉に検札を行います。車内検札のケースもあれば、停留所で待機して下車客の切符を確認することもあります。検札で不正乗車が発覚した場合は、罰金を取られます。罰金は最高45ユーロ(約5500円)となり、日本のキセルの3倍とはケタ違いの罰金なので注意が必要です。おおむね、乗車券を一切所持していなかった場合がフルの金額45ユーロの罰金を請求され、未使用の乗車券を所持していた場合(刻印忘れ)は半額の22ユーロを請求されます。なお、検札官は車掌と異なり、サービス係ではありません。不正乗車を一切の言い訳を認めずに取り締まるのが目的です。彼らはサービス係ではないので、切符を売ってくれません。検札官が来たら切符を買えばよい、という考えは通用しませんので注意して下さい。ヨーロッパでは検札の時に切符を持っていなかったら、その段階で不正乗車となるのが常識です




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2003年7月22日ページ作成
2004年4月29日更新
2004年11月21日改訂
2010年6月28日更新

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